全国約1,300拠点から介護事例を募集し、
選ばれた優秀事例10事例の発表と表彰を行いました。
ニチイの介護事例研究発表会とは
ニチイでは、介護サービスを提供している全介護拠点において、介護現場における事例を科学的・客観的に研究しています。
その研究成果をニチイグループ内の全スタッフが共有し、サービスの質の向上につなげることを目的に、グループ会社(株)ニチイケアパレスが運営する有料老人ホーム「ニチイホーム」と合同で「介護事例研究発表会」を開催しています。
今年度は、 「認知症介護」 「地域連携」「医療と介護の連携」「転倒予防」、の4つを研究テーマとし、全国約1,300拠点から事例を募集。選ばれた優秀事例10事例の発表を行いました。
介護事例研究発表会の選考フローについて
STEP01 事業研究の募集 (4~5月)
ニチイグループ全介護サービス拠点(約1,300ヶ所)を対象に、事例を募集
STEP02 支店大会 (6月)
全支店(98支店)にて支店大会を開催、各支店より優秀事例を1事例選出。
ニチイホーム(58ホーム)にて、各ホーム優秀事例を1事例選出。STEP04 本社選考 (7~8月)
ニチイ学館の事例全98事例の中から最も優れた9事例と、ニチイホームの全58事例より最も優れた1事例の計10事例を選出。
STEP04 全国大会 (10月)
本社選考で選出された10事例の発表と表彰
平成26年度優秀事例の紹介
事例1: 自分らしく暮らしていきたい~在宅生活を支えるために~
- 発表者
- 中田 典子
- 松元 規代子
ニチイケアセンター招提(訪問介護サービス)
N様の体調の変化や医療との連携不足を感じていたスタッフが、体調改善へのアプローチや多職種との連携強化に努めたことで、N様の病気の早期発見・治療につながり、退院後の安定した生活に導いた事例です。
事例2: 転倒予防について~パイロットケースを通して~
- 発表者
- 佐藤 晃子
- 車田 直美
ニチイケアセンターさくた(通所介護)
認知症により、四点杖が正しく使えず、歩行に不安を感じていたY様に対して、デイサービスで取り組めることについて、アプローチを実施。機能回復や不安の解消に繋がり、拠点全体における転倒予防の取り組みのパイロットケースとなった事例です。
事例3: K様らしさをとり戻すケアを―。「できない!できない!」とくり返されるK様と向き合って
- 発表者
- 白井 智重子
- 坂上 知恵子
ニチイケアセンター網走(グループホーム)
体重の減少や意欲の低下がみられたK様へ、食事や服薬、生活環境など、様々な面から取り組みを行ったところ、生活リズムの改善がみられ、歌と話が好きで社交的なK様らしさを取り戻した事例です。
事例4: 「よいところをみせましょう」~A様と奥様の思いに応えるための、医療・介護のチームケア~
- 発表者
- 山西 裕紀
ニチイケアセンタ―磯子(居宅介護支援)
在宅での生活を希望されるものの、歩行能力の低下により、ご家族への介護負担の増大が心配されるA様に対して、新たに医療系サービスをケアプランに位置づけることで、歩行能力の向上やご家族の負担軽減に繋がり、ご本人やご家族の希望を叶えることができた事例です。
事例5: 認知症ケアにおける訪問看護の役割について
- 発表者
- 長野 和枝
ニチイケアセンター大阪西(訪問看護)
T様の服薬ミスの防止やT様の言動をご家族が理解できず混乱し、認知症状が進行してしまったことが課題となっていたT様。ご本人とご家族に対して、医療職としての専門的立場からのアドバイスや連絡ノートの活用により、課題解決へ導いた事例です。
事例6: 助けてください!!~介護とリハビリの相乗効果~
- 発表者
- 名取 洋平
- 明慶 晶子
- 近藤 宏美
ニチイホーム栗平(有料老人ホーム)
何事にも否定的な言動や行動がみられたT様に対し、ご本人の関心が高い計算問題等の実施や、リハビリなどを積極的に行ったことで、身体機能の向上や精神面の安定がみられ、信頼関係の構築ができた事例です。
事例7: 体操はまだか、鬼軍曹!あんたが言うで頑張ってるんやで
- 発表者
- 川崎 香織
ニチイケアセンター彦根(通所介護)
「自分の力で立ちたい」「自分で靴を履きたい」と意欲の高いK様。現状の身体機能の分析やそれに基づく体操プログラムを毎日行うことで、6ヶ月で目標を達成された事例です。
事例8: アセスメントの重要性と理解~認知症介護の質の向上をめざして~
- 発表者
- 墳原 恵都子
- 宮﨑 久美子
- 増田 有利江
ニチイケアセンター茜部(有料老人ホーム)
統一したケアの提供ができておらず、不適応行動がみられる認知症のA様に対して、スタッフがアセスメントの重要性を再確認し、ケアを統一することで、A様の不適応行動の改善に繋がった事例です。
事例9: 毎日行う転倒予防~転倒不安を解消するために~
- 発表者
- 石村 美代子
ニチイケアセンターうわじま(通所介護)
歩行困難があるT様の転倒不安の解消に向け、「つまづき」に着目した下肢筋肉向上トレーニングを、週2回のデイサービス利用時と自宅で毎日2回実施した結果、歩行がスムーズになり、転倒不安が軽減された事例です。
事例10: 「地域の見守りの中でその人らしく」
- 発表者
- 市川 明代
ニチイケアセンター大谷口(居宅介護支援)
生活環境の整備ができておらず、不規則な生活を送っていたK様。環境の整備から取り掛かり、徐々に他者との交流ができる機会を増やしていくことで、健康意識の向上や行事への積極的参加などに繋がり、大きな生活改善が図れた事例です。