ニチイ

事例7 体操はまだか、鬼軍曹! あんたが言うで頑張ってるんやで

発表者
川崎 香織(生活相談員)

ニチイケアセンター彦根(通所介護)

お客様プロフィール

K様 / 70代 / 男性
要介護度 要介護2
課題
  • ご家族(妻)の手を借りずに自分の力で立ちたいという思いがありました。
  • 自分で靴を履き歩けるようになりたいという思いがありました。

取り組み

仮説

  • K様に下肢筋力をつけ、正しい立ち上がり動作を理解していただくことで、立ち上がり・立位動作の動きが改善するのではないかと考えました。
  • K様が歩行動作を理解し、安全に職員が適切な声掛けを行うことで歩行が可能になるのではないかと考えました。

取り組み内容

  • 起居動作と歩行機能の回復状況について、職員の支えなく立位を一人で保てる時間が延びていく経過と、定則距離(3メートル)を伝い歩きで要する時間が短縮されていく推移を計測し、グラフにして毎月の変化をK様に示しながら機能訓練を実施しました。
  • 職員が立ち上がり動作と立位姿勢の動作をK様に示し、動作を説明しながらK様にわかりやすく声掛けし立ち上がり動作を実施しました。
  • K様の下肢筋力をつけるために柔軟体操・バランス体操を取り入れ、週2回デイサービスで実施し、自宅でも、ご家族(妻)の協力の下で体操プログラムを1日1回実施しました。
  • K様に歩行動作を理解していただき、バランス感覚を意識しながら、歩き出しの一歩を安全に踏み出すように声賭けし歩行訓練を実施しました。

結果

  • 機能訓練を行った結果、1ヶ月で自分で立ち上がり、立位が取れ、歩行が安定し、歩くことに意欲的になりました。
  • 6ヶ月の期間を経て「自分で立ちたい」「自分で歩きたい」という目標を達成しました。

考察

K様は目標や希望を見つけた結果、生きがいを持って生活が送れるようになったと考えます。

K様のニーズを把握しご家族と連携し目標を共有したことで、機能訓練をデイサービスと自宅で切れ目なく、継続的に取り組むことができ、目標に到達できたと思います。また、 K様の頑張りを「グラフ」でわかりやすく「見える化」することで目標達成への高いモチベーションに繋がりました。

結論

K様と目標達成への時間を共有し、達成した時の喜びを共感できたことで、お客様が日常生活に目標を持って生活することの大切さを実感することができました。今回の事例から私たちは、お客様のニーズや希望を大切にし、日常生活に目標を持って生活していただくことの大切さを実感するとともに、目標達成に果たすデイサービスの役割の重要性を再認識しました。今後もお客様に対してK様の事例を活用し、個々の目標達成に繋げていきたいと思います。