
- 発表者
- 長野 和枝(看護職員)
ニチイケアセンター大阪西(訪問看護)
お客様プロフィール
T様 / 70代 / 女性 | |
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要介護度 | 要介護2 |
課題 |
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取り組み
仮説
- T様の服薬管理を行い、血圧が安定することで在宅生活の継続ができるのではないかと考えました。
- ご家族(次女)の対応が変わることによって、T様の周辺症状が緩和され、在宅生活を継続できるのではないかと考えました。
- ご家族(次女)が認知症をより理解することで、介護に対する不安が軽減し、T様に対する対応も穏やかになるのではないかと考えました。
取り組み内容
- 認知症状に対し適切な対応を行い、T様に服薬の重要性と、ご家族(次女)が配薬している事を理解してもらいました。また、週2回の服薬確認を行いました。
- ご家族(次女)に認知症の理解をしてもらうため、連絡ノートを活用し、T様についてご家族(次女)と訪問看護スタッフが共有するようにしました。
結果
- T様の服薬管理について、服薬することの重要性を繰り返し伝え、服薬ミスは軽減し、血圧も安定しました。
- ご家族(次女)は、認知症を理解することで、母の言動の理由を少しはわかるようになり、母と向き合えるようになりました。
- ご家族(次女)の対応が変わったことで、T様の不安・焦燥・混乱が軽減され繰り返しみられていた発言も軽減しました。
考察
T様とご家族(次女)の心理状況を改めて分析する事で、陥っている状況を客観的に把握しそれぞれに適切な支援を行うことで、T様の周辺症状が緩和できたと考えます。認知症高齢者が在宅生活を継続していくためには、ご本人だけでなく、主介護者へのアプローチが必要であることが再確認ができました。
結論
訪問看護サービスは、医療職としての専門知識から、「予防的かつ予測的にかかわること」ができ、「適切な相談・助言そして指導」を行うことが大きな役割です。今後も、地域に根ざす訪問看護事業所として、地域包括ケアシステムを円滑に機能させるためにも、介護と医療の架け橋となっていけるよう取り組んでいきたいと思います。