
- 発表者
- 佐藤 晃子(介護職員)
- 車田 直美(介護職員)
ニチイケアセンターさくた(通所介護)
お客様プロフィール
Y様 / 90代 / 女性 | |
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要介護度 | 要介護1 |
課題 |
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取り組み
仮説
- アルツハイマー型認知症のため、歩くときに四点杖を忘れてしまうことがよくありました。四点杖を「自分のもので、歩くときに使うもの」だと認識できれば、杖の使用を忘れないのではないかと考えました。
- 下肢筋力を強化することで、ふらつかず、安定して歩けるのではないか、また、下肢筋力を強化し、足をあげて歩くことで、段差や物につまずきづらくなるのではないかと考えました。
- 「歩くと危ない」というご家族(長女)の不安もあり、Y様も次第に歩行に不安を感じるようになっていたため、ご家族(長女)の不安を軽減できれば、Y様の歩行不安も軽減できるのではないかと考えました。
取り組み内容
- 四点杖を自分のものだと認識していただくために、杖の置き場所をY様の右手側に置くように徹底し、歩くときは、その都度使用目的を説明し、具体的な行動を順番に説明しました。
- 下肢筋力の向上ができるプログラムを増やし、機能訓練に積極的に参加してもらえるように、声かけを工夫しました。
- Y様がデイサービスで、少しずつ四点杖を使って歩けるようになったことをご家族(長女)に連絡し安心してもらいました。

結果
- Y様は四点杖を忘れずに、正しい使用方法で使えるようになりました。
- 下肢筋力が向上し、ふらつきが軽減されたことで、ご家族(長女)の不安が軽減された結果、Y様の不安も軽減しました。
- 取り組み開始から、Y様は転倒しなくなりました。
考察
パイロットケースのY様に対して、Y様自身の転倒要因を把握して、デイサービスで取り組むことのできる要因について課題抽出・仮説の設定をし、アプローチした結果、転倒予防に繋がったと考えます。
結論
Y様の事例を他のお客様の転倒予防の取り組みに活かしていくために、転倒予防に特化したアセスメントを実施し、要因が共通している方をグルーピングしてグループ単位で個別に取り組んでいきたいと思います。
また、デイサービスだけでは対応できない転倒要因は、多職種と連携しながらアプローチすることが大切だと感じました。今後は今回のような取り組みを継続し、お客様・ご家族を笑顔にできるデイサービスを目指して、チームケアの一員として取り組んでけるよう努力していきます。